創業90年の歴史「ニッカウヰスキー北海道工場余市蒸溜所」

日本のウイスキーの発展に大きく貢献した、"日本ウイスキーの父"とも呼ばれる竹鶴政孝が設立したニッカウヰスキー第一の蒸溜所です。

代表的なブランド「竹鶴」「余市」のウイスキーはもちろん、2014年にヒットしたドラマ「マッサン」の舞台としても一躍有名となりました。

◆ ニッカウヰスキーの始まりの地


ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴正孝は、スコットランドで学んだ本格的なウイスキー造りを再現するべく、日本各地を巡った末、北海道・余市を選び、現在の余市蒸溜所を建設しました。

モルトウイスキーの原料である大麦の産地である北海道。余市は小樽から約20kmほどの場所にあり、北に日本海を臨み、三方を山で囲まれています。

ウイスキーを熟成させるための長期貯蔵にふさわしい、冷涼な寒冷な気候や湧き水にも恵まれた土地。さらに麦芽を乾燥させるピート(草炭)や燃料となる石炭も採れたことから、ウイスキーを造る好条件が揃った余市は、理想郷とも呼べる場所だったのです。

 

ニッカウヰスキーは前身として「大日本果汁株式会社」というフルーツジュースの製造会社として1934年に設立したのが始まりです。

ウイスキーの製造から出荷までは数年かかるため、その間、日果林檎ジュースの製造で経営基盤を固めていき、1940年に最初のウイスキーが販売。その後、1950年に東京へ本社を移した際、「大日本の”日”」と「果汁の”果”」から「日果(ニッカ)」を取って、現在の「ニッカウヰスキー」へと社名を変更しました。

◆ ニッカウヰスキーの人気ブランド

ニッカウヰスキーではウイスキーを中心に、様々なお酒を製造しています。

 

『竹鶴ピュアモルト』

甘くやわらかな香りと華やかさを持つ「宮城峡蒸溜所」のモルト原酒、しっかりとしたモルトのコクと飲みごたえのある「余市蒸溜所」のピート原酒など、ニッカウヰスキーの二つの蒸留所で造られ、厳選した複数のモルトを使用し造られた「竹鶴ピュアモルト」。

ウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2023」で“世界最高賞”のブレンデッドモルトウイスキーとして認定された、世界的にも高い評価を受けるピュアモルトウイスキーです。

甘酸っぱい果実の香りとライトな口当たりの中に、しっかりとしたモルトの厚みやピートのコクが感じられる味わいとなっています。

甘すぎずスモーキーが強すぎず、ウイスキー初心者から上級者の方まで幅広く楽しめます。

 

『余市』

世界でも稀になった伝統の「石炭直火蒸溜」を行った製法で作られた、余市蒸溜所のモルト原酒のみを使用して造られた「余市」。

寒冷で自然豊かな北海道・余市に流れる清らかな水は、ウイスキーの仕込み水となり、清涼な空気は樽で眠っている原酒を乾燥から守ります。余市モルトの個性は、伝統の製法と北海道の大地によってもたされています。

日本を代表するシングルモルトウイスキーの一つでもあり、重厚で力強く、深みのある味が特徴で、ガツン飲みごたえのあるため、ウイスキー特有のスモーキーなフレーバーに慣れている方にオススメです。

 

 

ほかにも、クセがなく飲みやすい、ヒゲの男性(KING of BLENDERS)のラベルで有名な「ブラックニッカ」や、昭和13年から愛され続けている「アップルワイン」など、ウイスキーを中心に様々なお酒が製造されています。

味や香り、飲みやすさなどブランドによって様々ですので、ぜひお気に入りを見つけてくださいね。

◆ ツアーやミュージアムなど楽しみ方も色々

「余市蒸溜所」ではツアーやセミナー、ミュージアムなどが実施・併設されています。

お時間のある方はスタッフが製造エリアを案内してくれるガイドツアー(要事前予約)、ウイスキーをより詳しく知れるセミナーに参加して、じっくり施設内を堪能出来ます。

ガイドツアーでは、重要文化財に指定されている乾燥塔(キルン塔)や伝統的な「石炭直火蒸溜」を行っている蒸溜棟など、ウイスキーの製造工程に沿って工場内を見学できるほか、竹鶴政孝とリタ夫人が暮らしていた旧竹鶴邸やリタハウス(旧研究室)など、見どころが盛りだくさんです。

 

気軽に施設を見学したい方は、予約不要エリアにあるミュージアムや、有料のテイスティングバーで様々なウイスキーを楽しめます。

ミュージアムではニッカの代表的なブランドの歴史やストーリー、竹鶴政孝の生涯を紹介するパネルなど、製造エリアとは違う歴史やニッカウヰスキーについて学ぶことが出来ます。

 

ほかにもお土産コーナーやレストランもありますので、時間や目的に合わせて蒸溜所を楽しんでください。

 

ニッカウヰスキー北海道工場余市蒸溜所

046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6